2015年3月31日火曜日

ブナキリガ 橅切蛾

Orthosia paromoea (Hampson, 1905)


ヤガ科(Noctuidae)
ヨトウガ亜科(Hadeninae)
○2015.03.31 里山で


  • 成虫は3-4月に出現とされる。
  • ホソバキリガと似ているが、こちらは、外横線がなめらか(ホソバキリガは途中でL字状に曲がる)。
  • 切蛾というのは、yyzz2さんの虫撮記によると、幼虫「キリムシ」(とはいえ、キリムシの調べはつかなかったようです)にちなむそうです。
  • さて、「キリガとは晩秋・早春という他の昆虫が越冬している時期に活動するヤガ科の一群のことを示す。どの種類もふわりとした毛並みが上品で、灯火採集などのお金のかかる採集に比べて比較的簡単な糖蜜採集で多数採集できることから、愛好者の間では非常に人気の高いグループである。また、植生の変化に応じて種類が変わってくることが知られ」る、とされています。





2015年3月30日月曜日

ミノウスバ 蓑薄翅(蛾)

Pryeria sinica Moore, 1877


マダラガ科(Zygaenidae)
マダラガ亜科(Zygaeninae)
○2015.03.30 家で(幼虫)
 マサキの枝先にビッシリ、卵を探せばよかったのですが、既に、孵化していました。
3㎜程度 2齢か

10mm程度 3齢か

○2014.11.02 家で(♀)

  • 家の中に、迷い込んでいました。
  • そのうち、庭のニシキギ科の植物の枝先で卵が見つかるでしょうか?


〇2014.04.28 庭で



  • 上2枚(同一個体)は、食べていた植物のそばのツワブキにいたところです。
  • 下は食べていた植物で、3頭ほどで食べつくしそうになっていました。見たところ、マサキのようです(別個体)。
  • 上の2枚は、伸びているのですが、下の写真は、身の危険を感じたのか、縮まって、お尻を少し持ち上げて、頭を隠していました。
  • 終齢幼虫は20mmとされていますが、伸びたところならその位はありました。
  • この近くのマサキやニシキギで繭をつくってくれるでしょうか?


○2013.11.03 庭で




  • マサキ(ニシキギ科、柾、正木)の葉裏で交尾していました。
  • ミノガ(幼虫がミノムシとなる)ではなく、蓑を羽織ったような蛾です。
  • ♂の触角は櫛歯状、♀は糸状
  • 成虫は、年一回、晩秋に出現、ニシキギ科の植物の枝先に産卵し、越冬。
  • 食餌植物の新芽が膨らむころ孵化。5月までに老熟し、繭となり、晩秋に羽化だそうです。
  • ここで、産卵してくれれば、一通り見れるかもしれません。



【参考】 みんなで作る日本産蛾類図鑑


ハルササハマダラミバエ 春笹翅斑実蝿

Paragastrostzona japonica

ミバエ科 Tephritidae
ハマダラミバエ亜科Trypetinae
○2015.03.30 庭で


  • ナツササハマダラミバエというのもいるようです。
  • 笹ではなく、マサキの葉先でじっとしていてくれました。

2015年3月25日水曜日

プライヤハマキ プライヤ葉巻(蛾)

Acleris affinatana (Snellen, 1883)

ハマキガ科(Tortricidae)
ハマキガ亜科(Tortricinae)
○2015.03.25 家で


  • ナラコハマキ Acleris perfundana Kuznetzov, 1962 とよく似ているのですが、ナラコハマキの方が、前翅の翅幅が細く(細長く)前縁紋は浅いとされているので、プライヤハマキとしました。
  • プライヤの名前は、シノニムであるOxygrapha pryerana Walsingham, 1900 において、プライヤに献名されたことに因むようです。

【参考】
 Digital Moths of Japan  ナラコハマキ

 プライヤについて、プライヤヒメハマキの項参照。
 なお、小西 正泰さんのプライヤー『日本チョウ類図譜』に詳しい。



2015年3月23日月曜日

ハラヒシバッタ 原菱蝗虫

Tetrix japonica (Bolivar, 1887)


ヒシバッタ科 Tetrigidae
ヒシバッタ属 Tetrix
○2015.03.23 高崎の森

  • この類は難しい。
  • ヒシバッタの類は、まず、コバネヒシバッタが分けられ、その後、ハラヒシバッタ、ヤセヒシバッタ、ヒメヒシバッタなどが分けられ、さらに、数十種に分化しているようです。
  • この写真の個体については、前胸背板側面の形状、前から見て、上面がやや膨らむことから、ハラヒシバッタとしました。
  • ハラヒシバッタについては、黒点がある個体も多いのですが、無紋の個体もあり、北にゆくほど、黒点がある個体の割合が増えるそうです。

【参考】


2015年3月14日土曜日

サガオニグモ 佐賀鬼蜘蛛

Eriophora sagana (Bösenberg&Strand 1906)

Araneidae コガネグモ科
Eriophora カタハリオニグモ属
2015.03.14 土浦市

  • 7mm程度だったでしょうか。
  • 垂直円網に隠れ帯をつけていました。
  • 外雌器がはっきりしないので、亜成体のようです。
  • このクモは、亜成体で越冬し、春早く姿を見せるようです。
  • 成熟期は、5-7月
  • 模様は個体差があるようですが、腹部前縁の肩部分が張り出しているのが特徴です。
  • 学名は、谷川明男さんの「日本産クモ類目録」2015版では、Plebs astridae (Strand 1917)となっています。
  • このクモの学名ですが、当初の、Zilla sagana については、南米で記載された種のホモニム(同音異種)であったようで、種小名が1917年にastridae(ベルギー女王にちなむか?)に変わったそうです。(「クモの学名と和名」八木沼健夫ほか)
  • 本種の命名者の一人であるBösenbergは、来日した、デーニッツハエトリで有名なデーニッツの収集したクモを整理して、「日本のクモ」という論文を書いたそうです。和名のサガ(佐賀)はなんでだろうという疑問は、これで解明ということでしょうね。
  • 昆虫学者などにとって、開国した日本は、新種が見込まれる宝の島で、採取した標本も宝物だったのでしょう。
  • その後、さらに、属名がEriophoraに変更されたため、ホモニム関係がなくなることから、Eriophora sagana とするものと、種小名をそのまま、Eriophora astridae とするものとに分かれたもののなのでしょうか?
  • さらに、2012年にPlebs属に変更か?


Gen. Plebs Joseph & Framenau, 2012
http://www.wsc.nmbe.ch/genus/384/Plebs



World Spider Catalog 
http://www.wsc.nmbe.ch/


【参考】
 千国安之輔「日本クモ類大図鑑」、新海栄一「日本のクモ」



2015年3月1日日曜日

キザハシオニグモ 階鬼蜘蛛

Gibbaranea abscissa (Karsch 1879) 


Araneidae コガネグモ科
○2015.03.01 茨城南部の里山で

  • エノキ(榎)の根元で、ゴマダラチョウの幼虫を探していたら、キザハシオニグモの♀が越冬しているのを見つけました。
  • えっ!クモって、成虫で越冬するんだっけ?
  • 卵や幼虫で越冬する種もいるのですが、本州では、落ち葉の下で越冬する種もいるのだそうです。
  • キザハシオニグモもその一つで、11月頃から5月頃まで、成虫が見られるようです。
  • 寿命は、1年弱ということになるのでしょうか?こんどは、寿命が知りたくなりましたが、このクモについては、はっきりしません。
  • 数年生きるものもいるようですが、多くは、概ね1年内外のようです。池田博明さんの「クモの生理 (消化法/毒/触肢と精網/振動感覚/一生)」参照
  • オニグモの仲間はよく似ている気がしますが、このクモの特徴ですが、「腹部は茶褐色で、両方は軽く張っている。肩隆起を結ぶ線より後方に階段状(きざはし状)の葉状斑があるのが特徴。」とされています(千国「日本クモ類大図鑑」)。
  • 私的には、葉状斑の中にある黒い斑点の方が特徴のような気がしますが、そのような記載はみつかりませんでした。
  • さて、このクモは、オニグモの仲間で、水平の正常円網を張るのは、このクモだけだそうです(新海「日本のクモ」)。
  • オニグモの類は、昼は網を畳んでしまうものもいるのですが、このクモはどうでしょうね。

※Araneus(オニグモ)属から、Gibbaranea(コブオニグモ)属に、転属しているようですが、Araneus(オニグモ)属に、マルコブオニグモというクモがいて、そちらの方がよっぽど、肩が張っているので、ややこしく感じます。